私を好きにならない貴方へ寄せて
私のことを好きにならない彼が好きだった
こう実感するのは、決まって
「若い女の人が歳上の男性を好きになるのはよくあることだ。
でも、本当に魅力的な歳上の男性だったら、若い女の子に本気にはならない」
という文言を目にした時だ。
私の好きな人は、分別がある大人だから、理性で行動できる人だから、
こんなガキの私のことなんて本気で好きにならなかった。
好きな人と、その人を好きになった自分を守りたい本能で、
好きな人が自分を好きにならなかったことを褒め称える。
胸の痛みを伴わないわけがなかった。
この考えの終着点として、
好きな人は、たしかに私に惹かれる面もあった。
でも、分別と常識のある大人だから、
私に本気にならないようにブレーキをかけていたのかもしれないし、
私に好きだと伝えることはしなかった。
私たちが両思いになるメリットは何もないから。
彼なりの判断で、
一度私のことを好きだということにしてしまえば、彼氏と彼女になってしまったら、もっと残酷な終わりが来る、
と思ったのかもしれない。
彼に片思いをしている状態が
一番痛みの少ない終わりだったのかもしれない。
両思いになったら私から嫌になる可能性とかあったし、
片思いは片思いで、私は自己尊厳が失われていったり、まあまあ嫌なこともありましたけど!
終わりの時、
「大好きな人に、自分のことを好きになってもらえないって、すごくすごく辛かった。
体まで差し出して、好きな人のためならできる、って正直嫌なこともして、
それでも好きになってもらえなくて、私が認められてない気がした。」
って言って、ごめんね。
最後だから私の苦しみも伝えたくなっちゃって、
自分勝手だったかなーと今では反省してます。
たぶん、
私が思ってるよりもっと大きな思いやりで、
私への気持ちを一つも伝えないで、冷たくあしらってたんじゃないかな〜と思うから。
それなのに、最後にまた自分だけ傷ついてるフリをしてごめんなさい。
そして、
最後の最後に、
ちょっとは好きだったよ、
と、信じさせてくれてありがとう。
私のこの都合のいい仮説の、
信憑性を高めてくれてありがとう。
最後まで憎めない、ずるいひとだね。